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エレナー・エスティス『元気なモファットきょうだい』 岩波少年文庫

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 子どもってかわいいですけど、子育てしていて、疲れるってこともありますよね。そんなときには、この本がおすすめです。

 例えば、仕事が終わって帰宅すると、信じられないくらい部屋が散らかっているってこと、ありますよね。いや、ないのかもしれないですけど、少なくともうちには7人の子どもがいまして、絶対に、散らかってるんです。
 なんでこんなことになったのか。思わず怒ったりしてしまいます。

 でも、たぶん、子どもには子どもの考えや、気持ちの動きがあって、その結果、いわば必然的に部屋が散らかることになったんだと思えれば、いくらかは怒りも収まるでしょう。

 この本には、子どもたちが何を見て、なにに反応して、どう行動するのかってことが、書かれています。まるで子どもの心の中を見ているみたいです。長女15歳、長男12歳、次女9歳、次男5歳のモファットきょうだいと、ワンオペお母さんのお話です。

 例えば、好奇心旺盛な次女の「ジェーンと警察署長さん」というお話があります。ジェーンが警察署長さんのことをどう思っていたか。それだけでも面白いんですが、彼女に自分がどう思われていたかを知ったときの、署長さんの反応も素晴らしいんです。  
 子どもが生き生きと描かれているだけじゃなくて、周りの大人も素敵なんです。こんなふうになりたいなと、大人が読むと、思わされる児童書ですね。

 挿絵もいいんです。87ページの、機関車の機関士、ディックさんを描いたイラストなんか最高です。なんでおじさんが、小さな机と椅子で勉強しているのか。気になりますよね。ぜひお読みください。

 ちなみに、この作者エレナーエスティスと、画家ルイス・スロボドキンのコンビは、『百まいのドレス』という本で有名です。長らく、『百まいのきもの』として知られてきたお話です。いじめをテーマとした、あんなに深くてシリアスな作品を作った人たちが、こんなにハッピーなものを作っていることに、驚かされます。でも、子どもの幸せを心底願うからこそ、シリアスもハッピーも書いたのかもしれません。

 エレナー・エスティス『元気なモファットきょうだい』は、「子育てに疲れた」あなたのための本です。子どもといることに改めてワクワクして、素敵な大人になろうと、思い直すことのできる一冊です。

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