本のすすめ 時々ひとりごと

横松心平オフィシャルブログ

Book Child

長新太『ゴムあたまポンたろう』 童心社

更新日:

 もしも「脱力系絵本」というジャンルがあるとしたら、この絵本は「キング・オブ・キング」というのにふさわしいです。
 まず、タイトルだけ聞いても、意味がわかりませんね。表紙を見ても、わかったようなわからないような。
 たぶん、この、漂っている人が、ポンたろうで、頭がゴムなんでしょうか。そしてなぜか、ピンクの空。

1ページ目にはこうあります。

 とおくの ほうから おとこのこが とんできました。
 あたまが ゴムで できている
 「ゴムあたまポンたろう」です。

なんの説明もなし。いきなり飛んでくる。
どこから来たの? と思ってみても、ただ「とおくのほうから」とだけです。
 それから、こう続きます。

 やまに ポン! と ぶつかると、
 ボールのように とんでいきました。

この、「ポン」の後のビックリマークが斜めに、右上に向かって、印刷されています。ゴムあたまポンたろうの躍動感を表しているんでしょう。
ポン!
です。

 あとは、跳ねながら世界中を飛んでいくだけの話です。
 そうなんです。
 ゴムのあたまで、おとこのこが跳ねていくだけの話。そんなことを思いついて、何ヶ月もかけて絵本を描いて、
何ヶ月かはわかりませんけど、
それを出版するなんて、凄すぎです。

 最高なのは、ハリネズミの群れに出会った時のこと。針に刺さりそうになったポンたろうはどうなるのでしょうか。それは見てのお楽しみですね。

 そして、話はどう着地するのか。文字通り、ポンたろうは着地できるのか。気になります。

 毎日いろんなことがあって、疲れますよね。でも、ゴムのあたまでただ跳ねているポンたろうをみていると、なんかそんなこと、たいしたことじゃない気がしてきます。日常のこまごまとしたことを、超越しちゃって、空を飛んでいる様子に、心が解放されていきます。
 うちの子どもに教えてもらった絵本なんですけど、すっかり自分がファンになってしまいました。 

長新太『ゴムあたまポンたろう』は、「疲れぎみでここらでひとつ肩の力を抜きたい」あなたのための本です。

-Book, Child

Copyright© 横松心平オフィシャルブログ , 2021 All Rights Reserved Powered by STINGER.