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相川英輔『ハンナのいない10月は』 河出書房新社

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 心があったかくなるような、大学を舞台とした青春ミステリーなんですけど、主人公の一人が、文学を教えている講師なんですね。そして、就職活動していて授業に出席していなかった男子学生が、単位くださいって、その先生のところに行くんです。
 そしたらその先生が大学でも指折りの変人で、研究室の本棚の中から、「自分の一番好きな本を、当てたら単位をあげる」と言い出すんです。もちろん、文学の先生ですから、本はたくさんあって、2000冊くらいの中からチャンスは3回ということになります。
 さあ、本を当てることはできるのか。
 本好きにはたまらない展開ですよね。

 他にも、本についてのエピソードがあります。
 男子学生の本探しを、女子学生が手伝ってくれるのですが、男子はミステリーファンで、彼女に聞かれて、オススメの小説を教えます。しかも、実在する本の具体的な書名を伝えるんです。どんな本が出てくるのかは、読んでみてのお楽しみです。

 そして、肝心の本あてクイズはどうなるのか。しかも、当てずっぽうじゃダメだって言われるんです。根拠を示さないといけないって。
 ちゃんと正解にたどり着くのか、気になります。
 それだけじゃなくて、きっと、実在の本が出てくるだろうなって、思わされるから、先生が一番好きなのは、どんな本なのかってことも気になります。
 そして、やっぱり、その本が読みたくなってしまうんです。

 本を一冊読んで、そのおかげで、他の本が読みたくなるってこと、ありますよね。
 一番多いのは、同じ作者の他の本が読みたくなるパターン。
 ブックガイドのようなものなら、その中で紹介された本も読みたくなります。
 この『ハンナのいない10月は』は、その両方にまたがってました。紹介された本も読みたくなったし、同じ作者のものも読みたくなりました。
 こんな風だから、本を読んでも読んでも、読みたい本リストが短くなることはなく、どんどん長くなっていってしまうのです。
 
 相川英輔『ハンナのいない10月は』は、「本が好きでたまらない」あなたのための本です。

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