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荒井良二『あさになったのでまどをあけますよ』偕成社

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 毎日、しなければならない仕事をするだけで精一杯。大変ですよね。私も、お勤めに出て、家事をして、子育てをして、座る暇もないくらい、毎日が慌ただしく過ぎていきます。
 そんな時、宝くじに当たるような、あるいは逆転ホームランのような、一気に生活を変えてくれるような出来事でも起こらないかなあって、思うことがあります。

 そんなときに出会ったのが、この絵本でした。

あさになったのでまどをあけますよ

というセリフとともに、子どもが自宅の窓を開ける。ただ、それだけの話なんです。それなのに、ビビビッと感電したかのように、心を打たれました。
 山のふもとの家の子は、窓を開けた後にこう言います。

やまはやっぱりそこにいて
きはやっぱりここにいる
だからぼくはここがすき

 都会の子はこうです。

まちはやっぱりにぎやかで
みんなやっぱりいそいでる
だからわたしはここがすき

 そうなんです。みんな、自分の今いるところが好きなんです。
 この絵本の凄いところは、「だからぼくはここがすき」と言われた時に、「ふーん」と思わされないところです。

 その山の様子、街の様子が、あんまり美しくて、思わず読者もその土地が好きになってしまうんです。「そうだよね。そんなにいいところだもの、好きになるよね」と納得しちゃうんです。
 朝であることも、大いに関係しています。朝日を浴びた美しい風景。朝日を浴びて、元気になった子ども。読者も元気になってきます。朝起きたら、カーテンを開けて、太陽の光を浴びると、気分良く目覚めることができますよね。

 そうか。もしかしたら、今、自分の家があるここも、窓を開けたら、美しいんじゃないの。
 もちろん、カレンダーの写真になるような風景じゃないかもしれません。でも、やっぱり、朝になって窓を開けたら、「ここが好き」って思えるかもしれない。それはすでに、いいことですよね。

荒井良二『あさになったのでまどをあけますよ』は、「なにかいいことないかなあと思っている」あなたのための本です。
 今日も、いいこと、あるはずです。

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