本のすすめ 時々ひとりごと

横松心平オフィシャルブログ

Book Mystery

道尾秀介『いけない』 文藝春秋

更新日:

 この本の最大の特徴は、写真オチです。そんなミステリーのジャンルはありません。しかし、今後、そういうジャンルができそうです。

 では、写真オチって何なのでしょう。
 こんな感じです。
 短編小説を読み終わりました。
 でも、なんだか腑に落ちない感じです。
 ページをめくると、一枚の写真が掲載されていました。3秒くらい考えます。
 その時、文章を読んでいただけではわからなかった真相が立ち上がってきたのです。
 前のページまでの文章だけで、話は終わっているはずでした。でも、写真の意味がわかると、いろんなピースがカチリとはまっていくのです。
 その時の爽快感といったらありません。こんな表現方法があったのかと、新鮮な驚きを味わいました。

 そのようにして、この本に収められた短編を3つ読みました。写真も3枚です。中には写真を見て、その意味にすぐにピンと来ないものもありました。

 4つ目の話は、わずか23ページでした。そして、それまでの三つの話をつなげるものでした。ページを戻って読み直して、もう一度写真を見て、さらにびっくりしました。
 本の最後に置かれた4枚目の写真を見たとたん、爽やかな風が吹き抜けました。
 そうなんです。驚かされるんですけど、読後感はとても爽やかなんです。

 具体的に何も説明できなくて、もどかしいです。でも、あえて、話のあらすじについては触れないでおきます。とにかく、この見事な写真オチを楽しんでください。新鮮な驚きを味わってほしいです。

 ミステリーには、まだまだ可能性があるんだなあと、嬉しくなりました。

道尾秀介『いけない』は、「これまでにない新鮮な驚きを味わいたい」あなたのための本です。

-Book, Mystery

Copyright© 横松心平オフィシャルブログ , 2021 All Rights Reserved Powered by STINGER.