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イム・キョンソン著・渡辺奈緒子訳『村上春樹のせいで』季節社

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 イム・キョンソンは、韓国の作家。日本語にも堪能で、日本語ツイッターも発信されています。
https://twitter.com/slowgoodbye_jpn

 大の村上春樹ファンで、一冊まるごと、村上春樹について書いたエッセーです。
 本当のファンだと、憧れの相手のことを表現するとき、「自分」というものは押し出さず、相手を表に立てるものです。

 思い出すのは、ローリング・ストーンズのことです。1995年のアルバムで、ボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」をカバーしたとき、どんなロックになるんだろうと思って聞いたら、実に丁寧に原曲を尊重した演奏になっていて、「ああ、ストーンズの人たちはディランを尊敬しているんだな」ということが、しみじみと伝わってきました。

 本書もそんな感じで、村上春樹の歩みを振り返り、言葉をたどっていきます。彼の生活哲学を学んで、自分の人生に活かしていこうという、著者の謙虚な態度の表れでしょう。

 個人を大切にして、自分のスタイルで生きていくこと。村上春樹の存在により、「より良い自分になろう」と励まされて、歩いていくこと。
 そんなイム・キョンソンの姿に、私たちもまた、励まされます。
 イム・キョンソンの本、もっと読んでみたくなったなあ。
 日本語への翻訳を待ち望んでおります。

イム・キョンソン『村上春樹のせいで』は、「自分のスタイルで生きたい」あなたのための本です。

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