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川澄浩平『探偵は教室にいない』東京創元社

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第28回鮎川哲也賞を受賞して、2018年に刊行された、著者のデビュー作です。 

鮎川哲也賞は、
「創意と情熱溢れる鮮烈な推理長編を募集します。 」

ちなみにこの前年には、話題となって映画化もされた、今村昌弘 『屍人荘の殺人』が受賞しています。

鮎川哲也は2002年に83歳で亡くなった作家です。戦後のミステリー界を牽引した巨匠です。

なんでそれを今、『探偵は教室にいない』をおすすめするかというと、近々、続編が出ることになっていて、それを楽しみに待っているところなのです。

『探偵は友人ではない』東京創元社

著者は1986年北海道生まれ、北海道在住。もともと漫画原作者を目指していて、原作を担当した読み切りを2本発表したが、後が続かず、小説を書き始めたとのこと。

作品の舞台は札幌とその近郊。余市はともかく、輪厚が登場した小説は初めて読みました。

第28回鮎川哲也賞選評で、選考委員の北村薫さんはこう述べています。
「個性としては、舞台の《北海道》が生きている。(中略)この作品の場合は、北海道であることが物語と結びついている。」

長年札幌に住んでいる私が読むと、そうそう、宮の森ってこんなところだよね、雪の降りはじめる頃ってこんな空気だよね、などと思って楽しめます。著者のさじ加減が絶妙なのは、同時に、札幌をよく知らない人が読んでも理解できる程度に説明してくれているところです。そして、その舞台設定が物語にぴったり馴染んでいます。

川澄浩平『探偵は教室にいない』は、「札幌を舞台としたミステリーを堪能したい」あなたのための本です。

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