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アガサ・クリスティー著 黒原敏行訳『ナイルに死す 新訳版』ハヤカワ文庫

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 クリスティーの代表作の一つです。といっても、ミステリーの女王なので、代表作がいくつもあるのがすごいです。ただ、クリスティーを読み込んでいるファンの中では、『ナイルに死す』がナンバーワンだという声もあります。

 私は、中学生の時に読みました。かれこれ35年も前のことです。だけど、内容は全然覚えていませんでした。今回読みながらも、「どうせこの怪しくない人が犯人なんだろ。一回読んだことあるし」と思ってましたが、全然違ってました。
 忘れるってことは、二度楽しめるってことで、ミステリーファンとしてはとても幸せなことです。

 翻訳は黒原敏行さん。
 どこかで聞いた名前だなと思っていたら、コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』を訳した人でした。『ザ・ロード』は、鳥肌が立つほど凄い本でした。また、フォークナー『八月の光』の新訳も手がけている方でした。『八月の光』も『ザ・ロード』も、私の生涯ベスト本のベストテンに入ろうかというほど大好きな本なので、この翻訳者の訳した本には期待が高まります。

 そして実際、『ナイルに死す 新訳版』も良かったです。登場人物がたくさんいて、それぞれの思惑と行動が錯綜するのに、ほとんど「登場人物表」を見なくても、スーッと頭に入ってきました。原作の力ももちろんですが、名訳でした。
 読みやすくかつ読み応えのある。そういう作品ってなかなかあるものじゃありません。

アガサ・クリスティー著、黒原敏行訳『ナイルに死す 新訳版』は、「名訳による名作を楽しみたい」あなたのための本です。

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