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Book Non-Fiction

マイケル・ポーラン『人間は料理をする』野中香方子訳、NTT出版

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 とにかく本当に美味しそうなものが登場してきて、読み終わると、絶対、台所に立ちたくなります。

 あまり料理をしてこなかった著者は、料理修行の旅に出て、プロの料理人から、きっちりと教えてもらいます。
 ものすごく単純な、でも時間と手間のかかる調理作業を、極めて丁寧に行います。自分でちゃんとやってみるという著者の姿勢が、本のパワーとなって伝わってきます。

 その実体験とともに、ジャーナリストである著者は、職人や企業に取材に出向き、食文化の歴史を紐解いていきます。
 今、私たちの食生活はどうなっているのか、何を目指して、どこにたどり着いたのかが明確にされます。
 
 これでいいのかな。
 と思わされ、自分で料理をすることから始めよう。料理を手元に取り戻したいと、自然に考えるようになります。

 テーマは四つ。

 まず、焼く。ここで最も印象的なのは、薪であぶった豚の丸焼きです。アメリカにはバーベキュー職人がいて、それはそれは美味しそうなものが出てきます。特に、豚の皮はいつか食べてみたいものです。著者は毎年、1日かけて丸焼きを作るようになります。

 二つ目は、煮込む。家庭で作れるように、ミートソースのレシピが載っているのですが、調理時間はなんと7時間! です。本格的すぎて愉快です。

 三つ目は、パンを焼く。パン職人の生き様に憧れます。私はパンを焼くんですけど、この本にも書いてある通り、パンの焼ける香りは、家庭を幸せな気分で満たすというのは、本当です。
 パンは、
「巧妙な技術で草の栄養価と風味を高めて消化しやすくしたもの」
なんですね。

 四つ目は、発酵で、キムチ、チーズ、ビールが登場します。本の最後の、ソウルでのキムチ作りの「手の味」というエピソードは本書のエッセンスになっています。

 Netflixで本書を元にしたドキュメンタリー動画も配信されてます。

マイケル・ポーラン『人間は料理をする』は、「料理を食べる」あなたのための本です。これを読むと、料理がしたくなって、人生が変わります。

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